前回の破滅的な、それでもこんな美しい光景(銅版画風)から。
今回は、、過去最高に残酷な、そして驚きのエレンの真意。
予想の斜め上というより、真下に潜られてからのアッパーカットって感じでした。
131話考察・感想
エレンの回想(スリの少年)と地鳴らし
未来は変わらない
エレンの見る未来は、どうも決定事項らしい。
あらがってみても、やはりそうなってしまう。
こうなると、誰の意志なのか分からなくなるだろうな。でも、意外と実際も似たところはあると思う。
作者が進撃を描くのは決まっていた未来なのか自由意志なのかとか。
彼は、進撃の結末(未来)の一部「お前は自由だ」の記憶を道で見たのか?とか。
まあ、見てそうですけどね🙄
オレも同じだったよライナー…
滅ぼすべき敵に感情移入し、あるいは仲間意識すら芽生え心が分裂する(それはライナー)。
ライナーのほうが子ども時代から長期間にわたって敵と一緒にいる分、慢性的な心的外傷が続いていたとは言えますね。明らかな人格の解離があったのはそのせいでしょう
ただ敵を全滅させる力を持ってる分、そして未来を見ている分、エレンの追い詰められ方のほうがより極限状態かもしれない。
いずれにせよ、「半端なクソ野郎」は、その状態において人として当たり前の感情をまだ持ってるということでもあるが‥。それでも最後まで進み続けるのがエレン。
謝るエレン
いやあ、ないだろうと思っていた謝るパターン。
結局、もう理性ではない感情が抑えきれなかったんですね。
そしてなぜか、巨人化跡のようなものが目の内側に。
たしか、巨人化跡はふつう下にあったはず。もしかして、これは始祖の巨人のほうの影響を示唆している?
だとすると、始祖ユミルの意識もこれを見ているとか。
だから、未来の記憶にこの場面が登場したのでは?
地ならしの真意ーエレンの望んだ夢とは
島を救う… エルディアを救うため…
それだけじゃ……ない
壁の外の現実は…
オレが夢見た世界と違ってた…
アルミンの本で見た世界と… 違ってた…
えっ?どういう意味?・・・。
オレは… 望んでたんだ…
すべて消し去ってしまいたかった…
ああ・・ええぇぇ!?ということで、、アルミンとの場面。
エレンは壁の「外の世界」の広い景色を夢見る少年。
その夢を実現するために・・ということか。。これは。
いやしかし、これが決め手だとしたら・・・ラムジーたち、世界の人間からしたら、は?ですね。
がまずは思ったこと。
これはなかなかに予想外。
最近のエレンの大人ぶりからは‥意外過ぎました。ここは大人の理性でなく子どもでいかないとダメだった(これはムリだわ)。
まあ、あらためて振り返るとこの話、大義をかざしておいて実のところ「根本の動機は個人的な感情」でそこが非常にリアル。
グリシャ、ジークしかりライナーしかり。しかも、みんなその原因は幼少期にさかのぼる。ライナーなんかは途中から関係なくなった気もしますが、、でも発端はそこにある。
このエレンのセリフは、それらのトラウマ的なものとは違うけど、夢と希望(そして、それが壊れたゆえに)への執着かな。
ずっと命を賭けて「その自由」を夢見てきたんだろうから、もうストレートに言えばガッカリだったんでしょうね。。世界中敵ではあるしで。ある意味まっすぐなエレンらしいしその分ガッカリ度も強かったんでしょう。
*そう考えると、「退行=欲求の固着点に戻る」という精神分析の理論はけっこう当てはまる。現実が辛すぎて、過去の願望にしがみつくという(ちょっと違うかな。欲求がかなえられない現実を受け止めきれない時、精神状態がその叶えたい欲求の原点に戻ってそれに支配され、結果子どもがえりする)。海に到達して夢が挫折してから、エレンの心はこの夢の時点に戻って帰ってこれてないのかも。
ラムジーの見た始祖ユミルの影
で、謝るエレンと
立っている始祖ユミルのホログラム?。
続くこのセリフ。
エレンらしくない言い方。始祖ユミルの影。
ここはエレンというより、始祖ユミルの思いということではないか?
エレンを通して彼女が見た少年、その少年が地ならしで踏みつぶされるのを見て何かを思ったのかもしれない。
未来の記憶関係ではなさそうな気がするし、現在進行形の始祖ユミルの意識が見ていると予想。
この後、始祖ユミルが地ならしを止める可能性もまだ残されていそう。
でもそしたら、ジークの役目がなさすぎる気もするが。
子どもエレンの示すものは?
それを見た者は この世で一番の 自由を手に入れた者 これが
子どものエレン。
そして、この放心したような微妙な表情と踏み潰される人たち。
これは、どうなんでしょう。
踏み潰される人たちは子どもエレンの目には入っていない。つまり、子どもエレンは目の前の現実を見ることができていない。
この発言も、子どもエレンの表れだったのかも。
(あの景色って”この景色”だったんですね・・)
完全に退行してるわけではないだろうけど、この時点でもうそうなってるって感じじゃないかな。
子ども時代に見た夢をずっと追っているのはあるだろうけど、それは彼の全人格で選んでいるとは言えないかもしれない。
殺されるほうからしたら、夢見てる子どもエレンに殺されるほうがより理不尽で、さすが世界は残酷です。
座標でアルミンを呼ぶエレン
ついに… たどり着いたぞ この景色に
と無邪気にアルミンに呼びかける子どもエレン。
対照的なアルミンの表情。
これはもう、、アルミンが人類を救うは確定な気がする。
アニとアルミン
しかしアニはなかなか臆病ですね。
言葉でなく、手をぐっと握って態度で示すアルミンもなかなかいい(もうちょっと言わないかな。別の話になりそうかな)。
まだ…僕らが知らない
壁の向こう側があるはずだと信じたいんだ
うん。
今回で思ったのは、エレンは未来の奴隷であるだけでなく、過去に見た夢の奴隷でもあったということ。
「アルミンは戦うだけじゃない!夢を見ている!」って言ってたエレンが一番夢見てた。
良くも悪くもエゴに忠実。力を持ってる分、一番危険(‥だから言ったのに byライナー)。
一方、鬱屈して考えてた分、精神的には成長したかもしれないアルミン。
おそらく、アルミンはエレンとは違う壁の向こう側の自由を提示できそう。
131話考察まとめと今後の予想
地ならしが町を襲うと同時に、エレンの内心まで明かされた今回。
エレンは宿命に囚われつつも、未来を変えようとしているのでは?とも勘ぐっていたけど‥。
むしろ未来の記憶だけでなく、自分自身の夢にも囚われていた。いわば、過去と未来の記憶の両方に縛られているように見える。
対して、最近はあまり活躍の機会のなかったアルミン。
彼が見つけるであろう「壁の向こう側」が何なのか。
自分はエレンが「巨人を終わらせる」と予想していたけど、どうも彼はそれどころではないみたい。もし巨人を終わらせる(憎しみの連鎖を断つ象徴)としたら、アルミンが見つけるものがカギになりそう。
子どもエレンの目を覚まないといけないだろうし。おそらくは、エレンを囚われから解放する、精神の自由につながる何か。
それが人類の未来につながるのでは、、と希望的観測込みで。
あと気になるのは、始祖ユミルの描写。
どうも、「ごめんなさい」は現在の彼女の言葉のような気がする。
今後、座標での展開がカギになると思うけど、彼女は何を考えてるんだろう。。
彼女が心を取り戻して、「本当は何を望んでいたのか」を思い出すときが解放の時ではないのかなと思う。
その前にミカサの頭痛のナゾが、もうそろそろ明かされるんでは。
コメント