神話が元ネタと言われる進撃の巨人。
しかし、神や悪魔の神話的要素は単なる元ネタではなく、この作品の大きな主題の一つであろうと思います。
そこをリアルに見ていくには、一般には「陰謀論や都市伝説」と言われてる知識が役に立つ、かもしれない(あとスピリチュアル)。
「私の愛読書は‥ゼカリア・シッチンです」
「父さん‥教師でそれはやばいよ」
要は、神話=史実かもしれないという見方。
そういう視点で見た時、物語が今の自分につながる現実とリンクしてくる
そこに、ぞくぞくするような興味と面白さが出てくる。
・・という個人的な解釈の話です(それ以外ありえないけどね(‘ω’))。
*この考察はその多くを「都市伝説」に依存しています。それをどう捉えるかは、あなた次第ですが、私も真相は知りません。たぶん、何かはあるでしょう。そんな見方から、進撃の巨人における神話のリアルを考察します。
進撃の巨人と「神話」
1.キリスト教(旧約聖書)
前にも言ったように神話の中でも旧約聖書の創世記「失楽園」と似てる場面。
大地の悪魔はバフォメットに似てます(聖書からは離れます)。
バフォメット(Baphomet)は、キリスト教の悪魔の一人で、黒ミサを司る、山羊の頭を持った悪魔。
Wikipedia:バフォメットより
よく見ると、腰のあたりに蛇もいます。
イヴをそそのかし、善悪の木の実を食べさせたとされている蛇。
ということで(バフォメットでなくてもいいけど)、リンゴと悪魔。
やはりこれを出さないといけません。
主人公や、調査兵団は、自我に目覚めたアダム・サタンです、
巨人と言う絶対的な支配者、神に従わない人達です、作者ブログ:現在進行中の黒歴史より
ここまで明言されてるし、神・悪魔が単なる「設定」でないのは間違いないでしょう。
じゃあ、これがどういう意味を持つのか。ここからは自分の考えです。
もちろん、大地の悪魔の姿はマーレの創作でした。
ただしこれは、ユダヤ・キリスト教において知恵を与えた存在(蛇)が悪魔とされたのとおんなじ。
進撃では、巨人の力を与えた存在が悪魔とされた。
つまり、知恵が「巨人の力」になっただけで、問題の本質は同じ。
使いようによって、素晴らしいものにも、逆に破壊にもつながるものだということ。
そして、人間の知恵(巨人)の力を危険視し抑えようとする勢力もあって、その間で衝突が起こる。
これが、自分がありそうだと思う進撃と現実とのリンク。
進撃では、エルディア人の安楽死を望むジークと、地ならしで世界を滅ぼすエレン。
ここから。
現実において、この二つの勢力の衝突とは何なのか。
それを考えるために、シュメール神話です。
2.シュメール神話
古代宇宙飛行士説の元となったシュメール神話。
アヌンナキが猿人を使って人類を創ったというまだ都市伝説の話(実際分からないけど、遺跡関係の話とかマスメディアにのらないのは不思議かも)。
そして、アヌンナキは巨人だったと言われています。
シュメール神話は聖書の元となったとも言われていて、類似点も多いよう。「粘土で人を作った」や人類を滅ぼした大洪水。
とくによく出てくるのは、エンキとエンリルの兄弟。
しかも異母兄弟らしいし、エレンとジークを連想します。
大洪水を起こしたのはエンリル。
人類に知恵と生殖機能を与えた(DNA操作)のがエンキ。
エレンにつながるEの意思ですね(ウソです)。
一般都市伝説的には、エンリルが多くの宗教、エンキがグノーシス主義やイルミナティなどの秘密結社と関わりがあると言われてます。
つまりは、この二人の兄弟とその考え方が、その後の地球の歴史に大きく関わってるという見方。
ふつう自由を求めるエレンはエンキ側になるでしょうが、地ならし=大洪水とするとエンリルの面も持つ。
この一部逆転させた場合、2人の性格の違いもぴったり一致します。
文科系でオタクっぽい兄エンキと体育会系で直情型の弟エンリルは、とことん性格が合わなかったようです
で、この兄弟げんかの末、最後大洪水で、一部を除いて人類は滅びる。
進撃と似た展開ではないでしょうか。
個人的には、あのスリの少年は大洪水を知らされたアトラ・ハシース(旧約聖書のノア)に当たり、エレンから地ならしを知らされていて助かるのでは?と予想しています。
ちなみに、エンキとエンリルは、聖書では同じ神になってるという話もある。
意外にも、聖書の中でも蛇は悪の象徴だけでなく、人々を救う存在でもあるらしい。
蛇信仰は日本をはじめ、けっこう見られるようです。
「エンキ」は、日本では、「宇賀神」として、よく知られていますね。
人間に知恵を与え、生かした存在であれば崇拝されるのは不思議ではないかもしれません。
進撃では蛇でなく、これでした。
同一の存在が神とも悪魔とも言われる理由は、そこに創造と破壊の両面があるからでしょう。
それがつまり、「危険な自由」と「柵の中の安全」のどちらを選ぶか、という問題となって表れているのかもしれない。
ホントは自由と安全を共存できれば最善。
ちょっと脱線気味ですね。
でも。進撃は北欧神話のモチーフもけっこう出てきますが、自分的にはストーリー的にはここらへんがキモではないかと思います。
禁断の力を得た人間であるエレン。
悪魔にもなり得るけど、神に背いて柵の外に出ようとする存在。
「たとえ地獄でも自由でいたい!」、ってのが町山さんの話を受けてやりたかった事なんですが、どうも壁が壊されて以降はこのテーマ設定が生きない気がします、
作者ブログ:現在進行中の黒歴史より
おそらく、エレンが自由でいるために戦う相手=神が、前半と後半で変わるんですね。
ということで。
進撃における神を考察
1.強大な力としての神
物語序盤、エレンら調査兵団が自由のために戦った相手が、神にも等しい力を持つ巨人。
つまり、この漫画で言う神様ってのは巨人のことです、
(中略)超大型巨人だけは他と同等の扱いはできなかった、
何故なら神に見えなければいけなかったからです、同作者ブログより
ただし、これは前半の話でしょう。
2.救いとしての神
中盤以降、さまざまな意味での神が描かれます。
何も知ることができなかった、ロッドにとっての心の妥協点であり拠り所。
イェレナにとっては、(エルディア人を終わらせる)ジークが救いの神。
何があったか知らないが。
この二人にとっての神は、自分たちを救ってくれる存在と言っていいでしょう。
しかしその神は、エレンにとっては自由を阻む壁になる。
3.創造主としての神
そして、オニャンコポンの言う神。
彼だけ、意味合いが違う。
彼の言う神はより本質的というか、人間の都合によるものではないでしょう。
個人的には、「自由意志」の進化は、創造主としての人間に通じると思う。
けども、その前に破壊に終わってしまいかねないのが進撃の世界なのかも。
現代の神話はどう決着するか
パラディ島を守るために、地ならしを選んだエレン。
島以外の人間にとっては、まさに悪魔と言えます。
力を持ったエレンがその意思をつらぬいた結果、北欧神話と同じように世界は滅びるのか。
カギは、唯一神ではない東洋の神を背景に持つであろう、この人かもしれません。
西洋の色合いが濃い話の中で、日本的な和の魂はどこまで力を発揮できるのか。
進撃の巨人は、設定としては現代より数十年前の話でしょう。
なので、そこで得られる自由には限界があるかもしれません。
しかし、自由のためにイツワリの神と戦う、悪魔と紙一重の「自由意志」の力が試されるこの物語。
それはもしかしたら、人間の意識の進化が問われる、新たな「現代の神話」になるのかもしれません。
信じるか信じないかは、あなたと今後の展開次第です(^_-)。
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