123話は、ミカサの回想で語られるエレン。
少しさかのぼって、調査兵団がマーレに潜入調査したときのこと。そして遂に、エレンの目的とそこに至る事情が明かされる。
今や、エレンは物語の中で最も力を持ち未来を知る。それゆえに最も不自由な人間になった。
123話の疑問ポイント考察
エレンは最初から変わっていない
エレンは最初から何も変わっていない
あれがエレン本来の姿だとしたら
私は…エレンの何を見ていたのだろう
疑問1:ミカサの言う「あれがエレン本来の姿」のあれとは?
おそらく、それは121話で描かれた「他人から自由を奪われるくらいなら、オレはそいつから自由を奪う」=仲間のために「一匹残らず駆逐する」エレンの姿だろう。
ただ、ミカサのこのモノローグは、この123話でなく、もっと後のエレンを見て言ってる感じがする。
ニンジン買ったのは、サシャとコニーか
一人別の世界にいるエレン
私達は…気付かなかった
もしくは… 気付きたくなかったのだろう
はしゃぐ104期らとは対照的に、物思いに沈んでいるようなエレン。
アイスを勧めるミカサに、
収容区にいるエルディア人はめったに食えない
壁の外はこんなに広いのにな
と悲しそうな表情で言う。
エレンの様子に気づきつつも‥まあまさか、そこまで考えてるとは思わないよね。
120話の少年が登場
ガビに吹っ飛ばされた時の、エレンの記憶にあった少年。
戦争で難民になった子で、スリとして登場。
とくに同じ孤児だったリヴァイがやさしい。
そして、エレン。この子に関する未来の記憶を見ているっぽい。
「ユミルの民」がおかれた現状
キヨミいわく、
血液検査でユミルの民であることが分かるようになってきた。
エルディア帝国全盛時には、世界でユミルの民の血を取り入れることは高貴なこととみなされた。
それが、帝国の衰退とともに、エルディアに追従した「各国上流層」が国を追われる立場になった、と。
ほー。キヨミもユミルの民かもしれませんね。
世界はユミルの民を滅ぼそうとしていて、和平は難しい状況が明らかに。
最後の頼みの綱が「ユミルの民保護団体」。
エレンの涙
難民のテントを前に、涙するエレン。
「何があったの?」と聞くミカサに、
…まだ何も
戦争で全てを奪われた、過去の自分と似た境遇である少年。
その人たちも含めて、今後地ならしをする未来を、この時すでに見ていたのだろう(か、過去を思い出していたか)。
疑問2:120話で出てきた時の場面は今回はない。おそらく、後でエレンが別に会っていて、何かを言ってると予想するが、だとして何を言ったのか?。
「すまない」とか言ったところで何の意味もないし。。ここはエレンの心境が分かる場面になりそう。
エレンは最後まで地ならしで行くつもりだと思っているが、この少年の存在は一番引っかかる。彼と彼の家族も巻き込むという選択ができるのだろうか、できるとしたらどのように?。
オレは…お前のなんだ?
ものすごく心細そうな表情で聞くエレン。
…あ あなたは… 家族…
そこでおじいさんが飲み物を持ってくる。エレンは、
ちょうどよかった…
疑問3:しかし、エレンはなぜこれを聞いたのか?
エレンはこの時、すでに地ならしする未来を考えてる、ないし知っている。それは仲間やミカサのために自分やその他の命を犠牲にすることでもある。もしミカサが知ったらどう思うだろうか(ミカサは止めるだろうか)、本当にこれでいいのか?という迷いが出たのかな?と。
疑問4:「ちょうどよかった」。
上の質問はエレンが唯一見せた弱気な面、さすがに彼の中にも迷いはあったはず。そこで、自分が見た記憶のシーンが来て、その迷いを振り払うように「ちょうどよかった」?。
まあ、この辺の心境は後で分かる・・だろう。
一人だけ酔ってないエレン
一人だけ酔ってない、穏やかなエレンの表情。
これが仲間との最後の思い出になると思っていて、それをしっかり見ておきたかったんじゃないかな、と思う。
「ユミルの民保護団体」は、当てにならなかった
我々はエルディア帝国に交配を強いられた哀れな被害者なのです!!
⇒やはり、ユミルの民は始祖ユミルの子孫との交配で広がっていった、で間違いないよう。
以前、ハンジが「誰にも相手にされない変人集団」て言ってた団体。やはり、なかなかな団体でした。
被害者ではあるけど、自分たちが助かるために、同じユミルの民のパラディ島を悪魔にして(⇒違った。彼らはユミルの民ではないようですね^^;)。
それが、この時の世界の風潮に乗ったものだったということでしょう。
同じユミルの民からも、この扱い。
これを見て、エレンは退席。覚悟を決めたようですね。
未来は決まっていた
ここから姿を消したエレン。
手紙の内容は「ジークにすべてを委ねる」であった。
しかし、エレン孤独ですね。責任感が強くて抱え込みすぎというきらいもあるが。
はたから見ると、ハンジあたりが気づけなかったのか、とか思ってしまう。けど、確かに彼女もそういうタイプではないんだよね。。
次に顔を合わせた時にはもう手遅れだった
果たして 他に選ぶべき選択肢があっただろうか
すべては最初から決まっていたのかもしれない
決まっていたのだと感じますね。少なくとも「エレンの宿命」は。
それでも… 考えてしまう
あの時 もし私が
別の答えを選んでいたら
結果は違っていたんじゃないかって…
やはり、ミカサのモノローグの視点は、今ここにはない感じ。「結果」を見た後のような気がする。だとすると・・。
同時に、この物語の最大のテーマはやはり「愛」だなと思う。エレンを引きとめるものが今のところない。
でそのモノローグの後、今に戻り、地ならし。
エレンは味方だ!! そうに決まってる!!
と叫ぶアルミン。
そうだよ、味方だよ!でもちょっと違うよ‥。
アルミンはうすうす気づいてるが、必死で打ち消そうとしている。「まさか」そこまでしないだろうと。
エレン… 帰ってきたの? 私達のところに…
まだ、何が起こってるか理解してない2人。
アルミンが、自分の思惑と違っていたことに気づく。
この切迫感は、、記憶を一回なくしてからアニメで見たい。
ユミルの民に語りかけるエレン
そして、エレンが始祖の力で、ユミルの民に語りかける。
全ての壁の巨人が世界を踏み潰す「地ならし」が始まったこと。
目的は、パラディ島の人々を守ること。
世界の、パラディ島の人々を滅するという望みを拒否し、巨人たちは島以外のすべてを踏み鳴らすことが告げられる。
やはり、「全地ならし」だった。
そしてミカサにも聞こえている。ということで、ミカサはユミルの民の血も入っていた。おそらくアッカーマンがそもそもユミルの民ということか、あるいはヒィズルの「一番偉い筋の生き残り」だからか。
ライナーやジーク?、ヒストリアも聞いている。
そして、悪魔のようなエレンの表情・・。
この「ユミルの民に一斉放送」をしたことに何かの意図はあるのか。
他の大陸にいるユミルの民にも聞こえているのだから、文字通り受け取れば彼らに最後通告を告げていることになる。
望みは薄いけど、あの少年にも聞こえてたら、何らかの脱出手段をとらせてる可能性もないかな?
脱出手段・・巨人は軽いが意外と海の底を行く(;’∀’)・・まあ泳ぐよりはこっちか。なので船で海に出る・・とか。
全体の感想と考察
今回明かされた内容は、ほぼ最近の話からの予想通り。
変な言い方だけど、これ以外はあり得ない。正しいとかではなく、(この物語では)エレンはこうでなくてはいけない、気がする。
本当の問題はここからだと思う(ここからが、予想は絞られそうだけどムズカシイ)。
エレンはミカサの愛情を知らずに(分かってはいるのかもしれないが、それを見ようとせず)、一人で進んでいる。
その姿は、始祖ユミルも含めて、これまでのユミルの民が味わってきた屈辱、そして敵への憎悪がすべて乗り移ったかのようである。
自分的には、おそらくもう彼は個人としてのエレンという意識ではない、と考えたほうが理解できる。
まあ、それはともかく。
「エレンの本当の姿」にミカサが気づいた後、彼女がどうするのか。
そこが一番の分岐点になるはず。やはり地ならしを止める未来が思い浮かぶが・・。
これはアルミンにも同じことが言える。
性格の違いもあるが、アルミンもエレンの本心をすべては見抜けなかった(彼でなくても難しいよね)。
そこに気づいた彼が、どう考え選択するか。彼が本領発揮する場面が必ず来るはず。
いろいろ気になるが、アニも気になる。
まだ今の段階では、水晶化のままなのでは。しかし、エレンはマーレのユミルの民も全て滅ぼすつもりだろうから、、アニには報われてほしいんだけどな・・。
今まで、エレンが悪を引き受けて、ガビあたりが新たな「英雄ヘーロス」になることで、島の悪魔への憎悪を解消させるというプランがあるかも?と若干思ってたけど、今回で、少なくともエレンにその気はないことがほぼ確定したのではないかと思う。
個人的には、いよいよ「終局への序章」という感じの回だった。
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