進撃の巨人ー122話から。「少女の」始祖ユミルが巨人を作った理由

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「進撃の巨人」考察

122話で分かったことの一つとして、始祖ユミルが座標に表れたのは、彼女の死後だったらしい、というのがあります。

 

 

もちろん彼女が亡くなったのは、大人になってから。

しかし、座標の空間?に表れた彼女の姿は少女。

奴隷の彼女がスケープゴートにされて、何かと接触して巨人化した時点の彼女の姿のようです。

なぜ、ここに戻ったのか・・?

彼女が少女の姿である理由、そして彼女が2000年間、巨人を作り続けていた理由を考えてみる。

 

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始祖ユミルが少女の姿である理由

 

1.巨人の力を使ったことの後悔

彼女が得た巨人化の力によって、彼女は王とその国のために、結果として敵国の人間を大勢殺すことになった。

奴隷としてしか生きられなかったからだが、同時に、彼女自身がそこに「存在を認められる」という意味を見出していたからだと想像できる。

そんな彼女が、最後にやはり奴隷としてしか扱われなかった。その現実に直面した時、今までのことをどう思うだろうか?

結局、そこには自分の願った意味はなかった。絶望すると同時に、これまでの自分の行動を後悔したのではないか。

王の命令に従って、あんなことをしなければよかった、、と。

その後悔の念が、彼女をその時の姿に戻した、のが一つの可能性。

 

2.自由になりたい心

あるいは、もしかしたら。そこからやり直したいと思ったかもしれない。

今度は、王に逆らい自由になりたいと。あのユミルと同じように。

40話「ユミル」

 

それが彼女の心をあの場所に生かし、地上ではエレンに引き継がれた、のかも。

(・・しかし、もしそうだとしても、彼女の肉体はすでになく、あのフリッツ王はもういないのだが)

ただ、これはちょっと疑問が出てくる。彼女は王家であるジークを助けたし、心は縛られたままで王家の奴隷という習性は残っていた。

だから、自由になりたかったとしても、その気持ちは無意識のもので意識してなかった。

少なくともエレンが解放するまでは。

 

この場合、まさに「進撃の巨人」は、分裂してしまった彼女の心深くに眠っていた、自由を求める意思だった、と言える。

その彼女の魂のかけらが、ようやく彼女の元に戻って彼女の心は再生した。

 

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彼女が巨人を作り続けていた理由

 

というわけで話をもとに戻すと。

座標空間に生まれた彼女の時間は止まっていて、心は行き場がなく囚われていた。

そして、それはその後も続くことになる。

 

娘たちが彼女の死体を捕食したことで、初めて座標ができ、それが3本に分かれ道となる。

つまり彼女が見たのは、巨人の力が自分の子どもに受け継がれた印。

明らかに見ている

 

奴隷である自分の子どもに受け継がれた巨人の力。もし娘たちから巨人の力がなくなれば、当然すぐ用済みになる。

だから彼女は、巨人を作るしかなくなったのだと思う。そして2000年の間、それを繰り返してきた。

ユミルの民と王家について
ちなみに、2000年ユミルから始まった血縁が増え続けると(しかも意図的に増やすと)、そうとうな数になりそうに思う(参考:アダムの歴史性:アダムは実在したのでしょうか?日本人はみな親戚?たった9人の母親から繋がる日本人と昔の人口)。ユミルの民はユミルの血縁で良さそうな。ここはみんな道でつながって巨人になれる。

では王家とは何かだが、今のところ、3人のうち記憶の操作能力のある「始祖の巨人」を宿した娘が王家となった。で、その背骨(脊髄液)から継承してきたのが王家の血筋ということかな?と。この辺は考えるとややこしそうで、よく分からないけど。

 

ということで、彼女が巨人を作り続けていたのは、奴隷としての習性ではなくて、自分の子孫(ユミルの民)を守るという気持ちからの行動だったのだろう、と予想。

そう考えると、非常にいじらしいというか、というには余りに悲劇的というか。

結果的には、奴隷という立場ゆえに作り続けるほかはなかったことになる。

 

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彼女の境遇はエレンの望みに通じているだろう

 

これがまあ合ってるとして。

最近、よくできた主人公感のある^^;エレンは、この経緯を知ったのだろうと想像する。

だとしたら、もう考えることは決まってきそう。

巨人の力を持つエルディア人を、奴隷として抑圧する人間をすべて駆逐するだけでなく、呪いとも言える巨人の力をどうにか終わらせ、始祖ユミルも解放する。

膨大な数の人間を巻き込んで、結局世界の破壊になりそうだが。

 

ただそう考えると、、エレンの望む景色はいくぶん見えてきやすい感じはする。

あとは、彼女自身の意思がどうなのか、、。

 

そもそも、自由の化身のエレンが彼女に導かれていた(動かされていた)、というのがけっこうなどんでん返し。

どこまでがエレンの意思と言えるのか?

 

ある意味、こんなに物分かりのいい奴とは思わなかったよ

 

・・基本的には、進撃は過去の感情の囚われにまつわる物語に思える。

未来を知るという進撃の能力さえも、始祖ユミルの心残りの表れに見える。

実は、この物語の中で、もし「自由意志」を持ち得るとしたら、それは始祖ユミルなのではないか、と思ったりする。

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